株式会社APS

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 株式会社APS(エーピーエス、旧・株式会社アル、以下旧社名時代も含め便宜上「APS」と呼ぶ)は、神奈川県横浜市のインターネットコンサルティング業者[1]。取引先に河井克行元法務大臣や小渕優子衆議院議員、自由民主党東京都支部連合会などがあることが政治資金収支報告書から明らかになった[2][3][4]

株式会社APS
APS Inc.
旧社名 株式会社アル
種類 株式会社
業種 インターネットコンサルティング
所在地 神奈川県横浜市中区相生町3丁目61番地泰生ビル311号室
法人番号(会社法人等番号とは異なる) 7020001113569
代表者 伊藤和徳(代表取締役)(2022年6月24日時点)
資本金 1,500,000円
設立年月日 2015年11月設立
外部リンク https://existencecorp.co.jp/
会社法人等番号 0200-01-113569

河井元法相買収事件裁判で検察が作成したAPSの供述調書により、インターネットやSNS対策を業務として行っており、依頼者の対立候補のネガティブキャンペーンを行っている事が明らかになった[1]

概要

自民党衆院議員の秘書歴や横浜市議補選に出馬経験を持ち[5][6]、「選挙戦略のプロフェッショナル」と名声を博する[7]伊藤和徳氏が2015年11月に株式会社アルを設立した。2021年に現在の株式会社APSに社名変更[8]

 登記上の業務目的は、「1.広告・プロモーションパブリックリレーション活動の企画、運営及びコンサルティング業 2.マーケティング活動(調査・商品計画・広告・販売促進・PR・出版等)の企画、実施及び斡旋業務 3.各種販売促進活動の企画、立案及び実施 4.広報物・PR物のコンサルティング及び企画政策 5.WEBサイトの企画、制作、構築、運営 6.情報収集・情報管理・情報処理・情報提供サービス業務 7.各種コンサルティング業 8.前各号に付帯する事業ならびにこれらに関する一切の業務」とされている。過去には仮想通貨の取扱いも記載されていた[9]

2019年7月の参院選広島選挙区の大規模買収事件で、公選法違反罪に問われ、2020年10月19日に東京地裁で行われた河井案里被告の第21回公判にて、APSの供述調書が読み上げられた。調書によると、2016年ごろから伊藤氏の知人の選挙プランナーから紹介を受け河井克行元法相と知り合い、インターネット工作業務の依頼を受けていた事が判明した。以下に調書を引用する。

16年ごろから知人の選挙プランナーから紹介を受けて、克行先生と知り合いになりました。インターネットやSNS対策を業務にしています。克行先生にネガティブな書き込みがあれば、検索に表示しにくくする、逆にポジティブなことを表示しやすくして、イメージを良くする、そのような業務をしていました。17年秋の衆院選では、克行先生の依頼で選挙に通りやすくなるようなSNS上の工夫をしたり、対立候補のイメージを悪くしてネガティブな記事の工作をしたりしていました。参院選では案里さんのイメージを向上させるようなウェブサイト、SNS、ネガティブ記事の対策を講じていました。克行先生から(参院選広島選挙区に立候補した)溝手(顕正)先生のイメージを悪くするよう言われ、溝手先生のネガティブな記事を投稿していました。架空の人物を名乗り、ブログを書き込み、溝手先生や県連が案里さんをいじめるようなことをしていると、克行先生に確認して記事を投稿しました。私の独断で投稿しているのではなく、具体的な内容は克行先生に指示されていました。ブログの内容も指示を受けました。

―中國新聞より引用[1]

所在地

 神奈川県横浜市中区相生町3丁目61番地泰生ビル311号室[8]。泰生ビル公式サイトのテナント一覧を見ると、311号室には別の会社名が記載されている[10]。この会社はシェアオフィスであり、シェアオフィスの入居企業一覧を見ると、APSの社名は無いが伊藤氏が役員を務める株式会社ワカゾウが入居していることがわかる[11][12]。APSとワカゾウは業務提携関係にある可能性がある。

 余談ではあるが、代表取締役の伊藤和德は、元々、代表取締役としての住所地を本店所在地と同一の場所に登記していた。ところが、2018年7月1日に横浜市西区の集合住宅に移転させ、2022年6月23日に再び元の本店所在地に舞い戻ってきた。どのような経緯であるかは知る由もないが、上記のような記載からすると、住所地について仮に不実の記載があったならば、公正証書原本不実記載罪が成立するのではないかと思った次第である。

注記

  1. 1.0 1.1 1.2 ネット業者供述調書<1>克行被告「流出したらまずいもの消したい」 - 中國新聞. (2020年10月19日)2023年1月5日閲覧。
  2. 収支報告書 - 公益財団法人政治資金センター. 自由民主党広島県第三選挙支部(代表・河井克行). (2018年9月18日)。
  3. 収支報告書 - 総務省. 未来産業研究会(代表・小渕優子). (2020年7月6日)。
  4. 収支報告書 - 東京都選挙管理委員会事務局. 自由民主党東京都支部連合会(当時代表・鴨下一郎). (2021年2月3日)。
  5. 中傷に手染めた「選挙広報のプロ」 炎上対策指南役が加害者に - 毎日新聞. 春増翔太 堀智行. (2023年1月3日)2023年1月5日閲覧。
  6. センキョ割で若い人が積極的に関わる選挙をつくるために、センキョ割と統一地方選挙についてのWEBサイトを整備し、広報物によるPRを行います。 - FAAVO. 伊藤和徳. (2014年9月1日)2023年1月5日閲覧。
  7. 伊藤和徳氏による選挙対策講座を行いました。 - 日本政策学校のブログ. 日本政治の危機を救う! 日本政策学校スタッフ. (2015年7月20日)2023年1月5日閲覧。
  8. 8.0 8.1 株式会社APS - 国税庁法人番号公表サイト
  9. 会社登記簿より
  10. 泰生ビル. 2023年1月5日閲覧
  11. シェアオフィスcosmos. 2023年1月5日閲覧
  12. 【ご案内】政策デザイン勉強会Vol22 「横浜市の台所事情を知る!」. 横浜市議会議員鈴木太郎. (2014年4月22日)2023年1月5日閲覧